むすめStory20-33w2d

2007年5月30日 (水)33w2d・・・楓が宿って

楓の命が私のお腹に宿ったのは、2006年秋のこと。偶然にもあなたの命がお腹に宿ったことを知ったのは結婚生活2年目に突入した頃でした。

この日から、私達の生活はガラリとかわったんだよね。

まだ妊娠初期であなたの命がしっかり私の中に根付くまで不安定だからってみんながずーっと気にかけてくれてたんだよ。

あなたをお腹に授かって、今までに9ヶ月という時間が過ぎて、実はこの間にたくさんの命を見送ってきたの。

ママの高校時代の先生、お世話になった会社の取引先の奥さん、親戚のお母さん…、たくさんの人たちが天国に昇っていった。

そのすべての葬儀にママはあなたをお腹に抱えて参列してきました。

死者に新しい命を奪われてしまうから妊娠中は葬儀に参列はしない方がいいとかいう人もいたけどね、迷信だとおもったし、お世話になった人たちだからママはお見送りをちゃんとしてきました。

妊娠してからやたらと不幸が続いてるなぁ~とおじいちゃんの前でボソッとつぶやくとね、おじいちゃんはママにこう言ったんだよ。

「お腹のなかの赤ちゃんはたくさんの命を受けて生まれてくるんだからきっと幸せになるよ」ってね。

私はその言葉に凄く救われたんだよ。悲しい場所に何度もあなたを連れて行ってるから、お腹のなかで楓も悲しい思いをしてるんだろうなぁってちょっと申し訳ない気持ちもあったからね。

あなたの存在を知った人たちは、みんな笑顔で「いつ産まれてくるの?」と嬉しそうに聞いてくれる。「もう動いてるの?」ってお腹を触ったり撫でたりしてくれる。

楓、あなたはたくさんの旅立っていった尊い命をたくさん受けて、そして多くの人たちから歓迎されて喜ばれてこの世に生まれて来るんだよ?

この世にうまれ出てくる前から数え切れない人たちが笑顔であなたの事を待ってるの。

楓は、幸せだね(^^)。それを感じてる私達も凄く幸せだよ。

健やかに元気に生まれ、そして明るく素直に育ってね。